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建仁寺の襖絵がいいぞ

先週は、火曜日(8日)に、倉敷に出張に行きました。お仕事です。ついでに福岡でITSフォーラムが開催されていたので、そこからは自費で福岡まで足を延ばしました。ITSフォーラムでは初日夜のパーティでは川端商店街でのパーティ。いわば、商店街を借り切ってしまった形。もちろん商店街は公道なので一般の方々も通っている。パーティの仕方としては面白かった。
そして、福岡からの帰りにちょこっと京都に寄り道。

京都では修学旅行生が大勢いた。それと着物を着た女性が観光する姿がどうしても眼に入ってくる。この着物の女性、7~8割方は外人。たいていは中国語を話している。着物姿で古都をめぐるのが良好パッケージの中に組まれている。京都は着物を着てお店に入ると割引とかの特典がある。

そんな人たちに紛れて出張帰りのおっさんは、一途、建仁時に向かった。目指すは襖絵。何日か前に、以前勤めていた会社の同期でその後東大教授となり、現在は研究所の社長をやっている方が、ネット上で建仁時のモダンな襖絵が良いという文章を書いていた。それを読んで、では行ってみようかと。

建仁寺は、臨済宗。あれ?建仁寺は修学旅行で訪れていたかなぁ?金閣寺や清水寺、大徳寺は修学旅行では定番。ハテ?建仁寺は行ったことがあったかなぁー?それがわからないほどに印象が薄い。建仁寺の有名な見所としては、入って直ぐのところに俵屋宗達の「風神雷神図」がある。これは模写図。建仁寺 風塵雷神 img_015_big

なぜ、模写が飾ってあるのか?昭和9年に京都地方を襲った室戸台風によって、建仁寺を初めとして京都の有名な寺社がかなり被害をこうむった。建仁寺の建物の一つ「方丈」は倒壊。たまたま、襖をはずしていたので襖絵は被害を免れた。台風によって京都の寺社の文化財が散々被害を受けた。この教訓から文化財保護法ができた。

で、どうなったか。管理をしっかりしようというので、お寺の襖絵は博物館などに寄託させられた。それはそれで、後世まで伝えられるので良いのだろう。だけど、価値のある貴重な有名な襖絵は、博物館などに持っていかれた。元にあった場所には絵がかかれてない襖がはめられた。つまらない。はっきり行って、建物だけでは建仁寺はわざわざ行くだろうか。ということで、修学旅行でも建仁寺は訪れなかったのだと思う。

ところが、キャノンが頑張った。2007年から綴りプロジェクト(文化財未来承継プロジェクト)と称して高精細複製品を製作した。簡単に言うと、博物館に大切に保存してある原画をコピーして元の場所で公開しましょうよということ。これで、風神雷神図画が建仁寺に復活。模写図ですけどね。ちゃんと横に模写図ですとは書いてある。でも、本物と見分けがつかないくらいの精巧なもの。
キャノンはいい仕事している。

一方で建仁寺は、現代の絵師にも活躍の場を提供していた。法堂(はつとう)の天井には、双竜図が描かれている。これは、平成14年(2002年)に日本画家の小泉淳作画伯が2年の歳月をかけて仕上げたもの。原図は北海道の廃校となった小学校を使って描きあげた。双竜図 img002_big
↑ 法堂の天井に描かれている双竜図 (提供:建仁寺)

そして建仁寺の小書院では、今回目指した襖絵が公開されている。作者は型染め画家の鳥羽美花さん。禅を染めるとの意気込みで描いたのが「船出」。 青のモノトーン。裏側は「凪」。墨のモノトーン。型染めという手法で描かれている。
この「船出」には感動した。高校時代、新聞などは今の若者は「無気力・無感動・無責任」の三無主義が多いと批判していた。その三無主義の権化のようだったのが私。そんな人間も年を経て、「船出」をみて感動するようになった。すばらしい。絵の前でしばしたたずんでいた。でも、ほとんどの観光客は、ちらっとみて素通りするだけ。

私も、これが現代アーティストの襖絵かと思って初めはそのまま通り過ぎようとした。しかし、右側から見てから左側に移って再度見たと時に絵になんとなくおかしな気分を感じた。なんか変だな?この気分は何だろう?もしかして、と思ってもう一度右側に戻ってみた。案の定であった。

下の2枚の写真(↓)を比べてみる。初めの右側から襖絵見た時の写真。水面の左側の方にできている舟がこぎ出した後にできた跡や波を見ると左奥から右手前へと流れている。左側から襖絵を見た2枚目の写真では、あれ?・・・右奥から手前と舟跡や流れが変わっている。同じ絵である。こんな技法もあるんだと感心してしまった。

船出 28154588_178057186251540_8370092868433346560_n 建仁寺 船出 左img026_big

裏面の「凪」(↓)の絵も見る位置が変わるにつれて、見える絵、特に水面の模様が微妙に変わっていた。

建仁寺 凪 左img025_big

建仁寺 船出紅葉img027_big
↑上の紅葉の写真は建仁寺提供

襖絵「船出」を描いた鳥羽美花さんは、初めは型染め絵画をどうすべきか迷っていた。ベトナムを始めて訪問した時に眼に入った風景に型染めの世界でどのように歩くべきか、その進む道を見つけたようだ。その後ベトナムを何度も行ったりきたりで絵を描いてきた。そんな画家の人生を思いながら襖絵をみた。マイウェイの日本語版歌詞が浮かんでくる。♭今船出が近づくこの時 ふとたたずみ私は振り返る 遠く旅して歩いた若い日を すべて心のきめたままに・・・」
感動したのは、襖絵ではなく、型染めに人生をかけた、歌の歌詞のような生き様の方だったのかもしれない。

現代の絵師たちが描く襖絵の世界
http://www.jrtours.co.jp/kyoto_plan/guide/20170427.html
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