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ベルギー・オランダ旅行 (その11/13)   --風車と国を救ったハンス少年ーー

ツアーも終わりに近づいてきた。ツアーの7日目、4月8日(日)は8時過ぎにホテルを出発し、風車を見に行く。オランダと言えば風車。キンデルダイクが有名だ。しかし、私たちが見物したのはザーンセス・カンスの風車。





かつてオランダには10,000基の風車があったようだ。現在は1,000基程度。その中でキンデルダイクには19基の風車がある。迫力ある風車の風景となったらキンデルダイクの方なのだろう。アムステルダムに近いザーンセス・カンスには、風車が4基ある。風車小屋の中にも入れた。チーズ工場や小さなお店もある。周りの景色もオランダの牧歌的風景がそこにあった。 この辺も海面より低いのだろうと思いながら、水車を眺めていたら、ツアーに出発する前の妻との会話を思い出した。

妻:「オランダと言えば風車の風景よね。」
私:「うーん、そうかもしれない。堤防に指を突っ込んで国を救った少年の話も有名だね。でもね、面白いことに職場でその話をしたら若い人は知らなかった。」
妻:「ナニ、その話。私も知らない。」
私:「えっ、本当?本が好きだから知ってそうなもんだけど。それに、本好きでもない私が知ってるんだから、たぶん教科書に載っていたんじゃないかな。だから、読まされただろう?」
妻:「本当に知らない。どんな話?」

バスで移動しているときに暇つぶしに、そんな会話があったことを添乗員さんに話した。案の定、添乗員さんもその話は知らなかった。たぶん教科書で取り上げられなくなった時期がある、妻も60歳になったから、その境界線は現在60歳から65歳ぐらいの間にあるはず、だから65歳以上の人たちは皆この話を知っている、と付け加えた。この会話を聞いていた後ろの席の老夫婦が口をはさんできた。二人とも70歳を超えていた。しかし、その話は知らないという。老夫婦は78歳と70歳ちょっと。そっかー、知っているのは65歳前後の年齢だけだったのか・・・。

その少年、ハンス少年が国を救ったというお話の概要はこんな感じ。

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オランダという国は海面よりも低い陸地が多いので、海岸には大きな堤防を築き、所々水門を作って番人をおいて海水が流れ込まないように見張りをさせています。

 堤防監督官の息子ハンスは、お父さんがいつも「わたしの仕事は本当に大切な役目だ。この堤防が蟻の穴ほど崩れても、オランダ中が水浸しになってしまうかもしれないのだ」と言っていたのを聞いていました。
雨の日も、風の日にも、いやそういう日こそ、お父さんが緊張して家を出ていくのを見て育ちました。

ある日ハンスが隣村の叔父さんを訪ねて帰る途中、天気が悪くなり、海が荒れ出しました。恐ろしい大波が押し寄せて来ては地響きを立てて堤防にぶつかります。
ハンスがふと堤防の内側を見ると、一箇所水が流れている所がありました。

「おや、これは大変だ。早くお父さんに知らせよう」と思って、それまでの処置にと、泥を詰めたり、石を置いたりしましたが、水の流れは強く、反って周りが崩れて穴が大きくなり、ますます激しく水が噴出してきます。
ハンスは驚いて手で押さえてみると、ズルズル肩まで入っていまいました。しかし、それで水が止まったようです。

ハンスは腕を抜くことが出来なくなりました。抜けば大水が流れ出してくるでしょう。そのままの姿勢でハンスは人々の通るのを待ちました。
しかし、そんな天気ですから誰も通りません。
その内、雨も降り出し、日も暮れました。

ハンスは、「お父さん、お母さん」と声の限り叫びましたが、嵐の中でその声はかき消されてしまいます。
ハンスの腕は冷たくしびれて、感覚も無くなってきました。
しかし、「この腕を抜いたら、町も村もオランダ中に洪水が起こってしまう」と考えて、ハンスは泣きながら、そのまま堤防を守っていました。

お母さんはハンスのことを心配しませんでした。こんな天気だから、きっと隣村の叔父さんの家に泊まったに違いないと思ったからです。

翌朝、堤防監督官を中心に、人々が堤防の検査に来たとき、下の方に倒れているハンスを見つけて大騒ぎになりました。
ハンスは気を失っていましたが、その腕はしっかりと堤防の穴に差し込まれて水の浸入を防いでいました。
人々がハンスの腕を引き抜いて見ると、どっと水が噴出してきました。
その腕は紫色になっていました。

この少年の細い腕がオランダを救ったのです。  
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腕じゃなく指を突っ込んで止めたような・・・・記憶もある。
オランダの海沿いの2都市ハルリンゲンとスパールンダムには少年が堤防ふさぐ銅像がたっているほどに、結構、有名なお話(と思うの)だけどねぇー。ハルリンゲンの像は、指を突っ込んでいる。(↑写真:ハンス少年は左利きだったんですかね?)

あ、この話は実際にあった話ではなくフィクションです。アメリカ人メアリー・メイプス・ドッジが1865年に書いた作品です。普通、ヨーロッパのフィクションなら堤防に手を突っ込んだ少年は発見された時は、既に冷たくなって天に召されてましたといった風な悲劇的な結末が予想できます。しかし、ハンス少年は気を失っていますが、死んではいません。この辺が、米国の女性作家によるフィクションだからでしょうか。
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